教育分野の変化
いよいよ冬本番で冷え込みも強まり、健康管理が大切な時期となりました。
特に受験生の子を持つご家庭からすると、皆が体調を崩さないか気が気でないと思います。私も寒い中模試などを受けていた記憶があります。昨年度からはセンター試験が共通テストに切り替わるなど、現在の入試は大きく様変わりしたようです。
入試が変わるなら大学も変わるということでしょうか、出身校である中央大学では、法学部が来年度から茗荷谷に移ることになりました。
キャンパスの移転自体は以前より言われたことですが、今回のキャンパス移転に伴い、文理融合教育の実現を目指したカリキュラムの再編成が発表されました。同大学では、文理融合的な学問領域に基づく学部として国際情報学部が既に設置されていますが、法学部でも文理融合教育を打ち出した形です。
高校に入ると理系か文系かを選択する、というのが一般的ですが、学校教育法上、高校や大学での文系・理系といった区別の定めはありません。
近年は、中央大学に限らず、広く教育分野において、文理分断からの脱却や文理横断教育の推進といった言葉を見るようになりました。その背景の一つにSDGsの推進があるようで、SDGs実現のために文理融合が必要だ、という文脈で主張されることがあります。SDGsで掲げられているような大きな目標達成のため、特定分野に縛られない柔軟な発想力を養成していくことに主眼があると思われます。
中央官庁でも文理融合に向けた取り組みが進められています。12月に開催された中教審大学分科会大学振興部会第7回参考資料をみると、文理融合の意義などとともに、その取組例として、九州大学、広島大学、長崎大学、滋賀大学など、各大学のカリキュラムがまとめられています。それぞれのカリキュラムを見比べてみると、語学教育が中心のものもあれば、かなり理系的なものもあり、文理融合教育にもかなりのバリエーションがあるようです。
今秋の中央大学プレスリリースでは、来年度より法学部を含む3学部共同で開講される1、2年次向け学部横断型科目の概要が出ています。各教員の専門領域をみると、既存の法分野もあれば、触れたことがない分野まで様々です。今後、受験生にとって、文系、理系のほかに、文理融合系という選択肢がますます有力になっていくのかもしれません。
弁護士 濵口