夫婦別姓を認めない規定の合憲性について

 夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定の合憲性が争われた事件で、6月23日、最高裁は「合憲」と判断しました。

 夫婦別姓を認めない規定の合憲性については、平成27年に最高裁が「合憲」と判断しており、今回、社会情勢の変化を踏まえて最高裁がどのような判断をするか注目されていました。今回の最高裁決定も平成27年判決と同じ立場を取り、その後の女性の有業率の上昇や女性管理職の割合の増加等の事情を踏まえても判断を変更すべきとは認められないとしました。

 この件は選択的夫婦別姓の是非という形で議論されることが多いかと思いますが、選択的夫婦別姓制度については、平成27年判決同様、国会で議論されるべきことであるという考えを示しました。子の姓をどうするかなど、実務上検討を要する点は諸々あろうかと思いますが、選択的夫婦別姓制度の導入に向けて必要な議論が進められるとよいと思います。

弁護士 若林