活動報告

 私たち弁護士は、依頼者のためにベストパフォーマンスを発揮することが求められます。そのためには、知識をアップデートしたり、技術を磨いたりして自己研鑽に努めなければなりません。そうした自己研鑽を図るための場として、弁護士会が開催する研修や有志による勉強会などがあります。
 6月14日・15日の2日間、私は、東京三弁護士会多摩支部が開催する法廷弁護技術研修で講師を務めてまいりました。

 この研修は、刑事裁判、主に裁判員裁判を想定し、模擬の事件記録を用いた実践形式で、証人尋問や弁論などの法廷活動をトレーニングする研修です。この研修のルーツは、アメリカの全米法廷技術研修所(National Institute for Trial Advocacy)が弁護士、裁判官、検察官向けに実施している研修です。今から15年前、2009年に裁判員裁判が導入されるのをきっかけに日本に輸入されました。現在、全国各地で同様の研修が実施されています。弁護士の法廷技術を高めるために効果的なトレーニング法として広く活用されています。

 今回の研修には、若手弁護士から10年以上の実務経験を有する方まで幅広い層の弁護士が参加してくださいました。どの先生もとても熱心で、私も教室での議論に大いに刺激を受けました。また、自分が普段の法廷活動で考えていることを言語化して伝えるという作業を通して、法廷技術について深く考えるよい機会になりました。一緒に講師を担当した2名の弁護士は、どちらも私が日頃から敬愛しているすばらしい刑事弁護人で、そのお二人と研修でご一緒できたことも貴重な経験となりました。
 こうした研修等の機会を通して得たものを日々の弁護実践に生かし、依頼者のみなさまの利益を最大限実現するための力にしてまいります。

弁護士 久保田